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1: 心のびた民 2015/04/28(火)00:59:52 1
書き溜めはないからダラダラ書いてく

てか既に飲んでる



 

10: 心のびた民 2015/04/28(火)01:06:22 1
実はおっさん。
最近離婚したんだわ。

元嫁は
そりゃあ可愛かった。
胸もでかかった。
でもビ●チだった。

16: 心のびた民 2015/04/28(火)01:10:07 1
元嫁と出会ったのは、今もおれが雇われ店長してる居酒屋。
当時はまだただ店長なりたてで、右往左往してた頃。

元嫁はそこにバイトで入ってきた大学生だった。

17: 心のびた民 2015/04/28(火)01:13:39 1
面接したのはおれが店長として初めて面接した子が元嫁だった。

めっちゃ緊張してたのが可愛かった。
目がクリッとしててリスみたいで、正直タイプだった。
その場で採用を伝えた。

18: 心のびた民 2015/04/28(火)01:13:49
俺は元嫁に一目惚れし、なんだかんだで付き合うことに…
2年経った元嫁の誕生日に思い出の場所ディズニーシーで結婚わ申し込ん

24: 心のびた民 2015/04/28(火)01:18:57 1
ディズニーシーはよく行ったぞw
東北方面から出てきた子で、これでいつでもディズニーに行けるってはしゃいでたわw

とまぁ、時期も今と同じ頃。
元嫁の他に二人の新しいバイトと、店長のおれ。チーフのY。ほかにもう三人のアルバイトという新体制でスタートすることになる。

26: 心のびた民 2015/04/28(火)01:23:56 1
バイトは見た目で採用を決めました。
エ□オーナーは喜んでたなぁ。

元嫁は飲食店でのアルバイトは初めてで、最初はまともにトレンチも持てなかった。
それでも一生懸命頑張る姿は好印象だったけど、まだ付き合うとかそういうことは想像もしてなかった。

むしろ、当時は付き合ってた彼女もいたしね。

27: 心のびた民 2015/04/28(火)01:29:48 1
でもその彼女とはすぐに別れることになる。
おれは居酒屋で働いてて、基本的な仕事時間は夜。
彼女は短大を卒業して新卒OL。

昨年度まで、うちの店でアルバイトをしてた子だったし、それからもちょくちょく使ってくれた良客だった。
だが、生活リズム、生活時間が合わないってのは致命的だった。
彼女は土日休みだったが、おれは平日休み。
休みがない週もザラ。

離れるまではあっという間だった。
薄々気付いてはいたけど、別れ話をしたときには、もう新しい男もいたみたい。
最後まで隠してくれたのは、まぁ、ありがたかったな

28: 心のびた民 2015/04/28(火)01:35:48 1
彼女とはGW前に別れたが、大型連休はこっちも稼ぎ時なわけで、グダグダしてるわけにもいかなかったし、相棒のYが毎晩おれの絡み酒に付き合ってもくれた。

仕事に逃げたっていうわかりやすい形だけど、打ち込めるものがあれば立ち直れなくても倒れないってのは男の良いとこだな。

そうして、なんとかGWも乗り切って、連休明けにお店を閉めて、新人の歓迎会とGWのお疲れ会を兼ねて飲み会を開くことにした。

オーナーのこういうことをすんなり許してくれるところは好きだ。

29: 心のびた民 2015/04/28(火)01:44:50 1
飲み会といっても、メインの新人は三人とも未成年。

というわけで、お店のメニューを覚えてもらうという名目で、なんでも好きなものを好きなだけ食べて良いということに。
酒好きなYには残念だが、おれと一緒に厨房で頑張ってもらった。

皿も出揃い、乾杯をした。

お節介な先輩アルバイト1♀が、ソッコーで恋愛話にぶっこんで場を盛り上げてくれた。

元嫁は地元に彼氏がいると言っていたが、そこでその彼氏がおれと同い年ということが判明した。
マジか。
見た目小動物系なのに、なかなかやるな。

元嫁同期A子は、現在フリーだが、付き合ってる人はいるとなんとも意味深な答え。
同期B♂は、堂々とDTだとカミングアウト。見た目イケメンのスポーツマンなのに、中身は優秀かつ真面目だった。

30: 心のびた民 2015/04/28(火)01:56:48 1
楽しい飲み会も終わり、それぞれの帰り道。
同期♂はバイクで帰り、A子は付き合っているという彼氏?が迎えにきた。同業者だった。後日、何故彼氏?の店で働かなかったのか聞いたところ、彼氏?の彼女から嫌われているからとの答え。まぁ、若ければそういうこともあるか。

で、元嫁はおれが送っていくことに。

実は、新人を採用するにあたり、電話口だが全員の親御さんに子供さんがうちの店で働くことを告げて、責任を持って預かるということを話していた。
中にはそれで親御さんから反対にあって、辞めざるを得ない子もいた。

でも、片足とはいえ夜の世界、社会に出る以上は、その責任なり家族の理解なりが必要だと、おれは考えてる。
この電話は、今でも続けている。
そのお陰なのか、うちの店のバイトの離職率は他店と比べてもとても低いと思ってる。地元の子の親御さんの中には、子供がバイトを辞めたあとも贔屓にしてくれている方も何人もいる。

31: 心のびた民 2015/04/28(火)01:58:31 1
元嫁の場合、父子家庭でお父さんの心配も大きかった。
それで、帰りが遅くなる場合は自分が送っていくと伝えてあったので、その日もその通りに送っていくことになっていた。

32: 心のびた民 2015/04/28(火)02:03:31 1
元嫁の彼氏も心配だったのだろう。
帰り道に、よくその彼氏から電話がかかってきた。

これだけ可愛かったら、彼氏の心配も頷けると思っていたが、元嫁は鬱陶しそうに電話に出ていた。

バイトが終わったら電話
お店を出るとき電話
うちに着いたら電話
寝る前に電話

毎週末に元嫁の所まで会いに来る
その間はバイトにも出て貰えないから、お店としてもちょっとアレではあった

やがて、その彼氏の行為もエスカレートしていく

33: 心のびた民 2015/04/28(火)02:08:49 1
元嫁は学費とアパート代は仕送りだったが、生活費は自分で稼いだアルバイト代から出していた。
その為、本人の希望もあり、多めにバイトのシフトにも入れていたのだが、毎週末来る彼氏に付き合うと、稼ぎどきの週末に働けない。

彼氏も毎週末通うのはキツクなったのか、地元にも帰って来いと、催促するようになった。
正直キツイ。
これじゃあやっていけない。

というのを、週に二回くらいの帰り道に元嫁から聞かされるようになった。

季節は7月になっていた。

34: 心のびた民 2015/04/28(火)02:11:52 1
そんなある日、事件が起こる。
彼氏襲来。

サプライズで上京してきた彼氏が、バイト終わりの彼女を送ってきたおれを浮気相手とみなして襲いかかってきた。

35: 心のびた民 2015/04/28(火)02:22:03 1
建物の陰から叫びながら現れた彼氏に、元嫁は悲鳴をあげ、おれはとっさに元嫁を庇った。
それが余計に逆鱗に触れたらしい。

胸倉を掴まれて、
「おまえ!なんなんだよ!」
と凄まれるおれ。彼氏でかい。
でもヒョロい。細すぎる。
現時点では元嫁の彼氏でもなんでもなく、いきなり現れたただの暴漢。
もしくは変質者。

ビックリはしたが、とりあえず突き飛ばして前蹴り。
良いところに入って、うずくまる彼氏。

36: 心のびた民 2015/04/28(火)02:27:53 1
そこでようやく元嫁も、その暴漢が彼氏だと気付いたようだった。彼氏だと気付いていたが驚いて声が出なかったのかわからないが。

「知り合い?」
と聞くと
「彼氏…」
と答えた。

でも、おれの後ろに隠れてシワシワになるくらい服を掴んでる元嫁の目は、彼氏を見る目ではなく完全に変質者を見る目だった。

それも仕方ないだろう。
おれもバックバックしていた心臓が、全然治らない。

結果厨二っぽいことにはなったが、基本的に喧嘩なんかほとんどしたことのない人種です、おれ。

37: 心のびた民 2015/04/28(火)02:32:03 1
下っ腹を抑えながら立ち上がった彼氏は、尚も吠えた。

「誰なんだよそいつは!ああん!?」

あ、彼氏ヤンキーだ。

「ごめんなさい。今、付き合ってる人…」

はいぃ?
ここで華麗に右京さんのモノマネが出来ていたら、おれの滑らない話が一つストック出来たのに…
今でも悔やまれる

38: 心のびた民 2015/04/28(火)02:39:28 1
「はぁ?なんだよ!訳ワカンねぇ!ふざけんなよ!」

大体おれの心情は、ニュアンスは違えど彼氏が代弁してくれた。

「ごめん。本当にごめんなさい」

元嫁泣き出す。状況としてはどう見ても悪者なので、おれもその涙に乗っかることにした。

「聞いた通りだから。とりあえず落ち着いて」

「訳ワカンねぇ!訳ワカンねぇよ!なんだよこれ」

ごめん。
おれもだ。
状況は彼氏が悪者だが、冷静に考えれば彼氏は被害者であり、一番悪いのは元嫁。今だから言える。
悪いのは元嫁。

39: 心のびた民 2015/04/28(火)02:46:58 1
元嫁は彼氏に近づき、
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
と泣きながら謝っている。

「どういうことだよ!説明しろ!」

メダパニ状態の彼氏は、元嫁の腕を掴もうとしたが、元嫁はその腕を振り払った。後ろから見ていても、元嫁がビクっと跳ねたのが見えた。

「なんだよ…マジかよ…」

彼氏、泣いてた。
彼氏はメダパニが解けないまま、急に立ち上がり、なんだよ!と叫びながら白いコンパクトカーに乗り込んで、そのまま走り去った。

40: 心のびた民 2015/04/28(火)02:50:46 1
「巻き込んでごめんなさい」

元嫁が深々と頭を下げた。

「良かったの?別れて」
「もう無理だと思いましたから」
「怖かった?」
元嫁は頷いて、ポロポロと泣き出した。

おれもそれなりに覚悟を決めて、元嫁を抱き締めた。
思った以上に、元嫁は震えていた。

41: 心のびた民 2015/04/28(火)02:56:33 1
「一緒にいようか?」
「ごめんなさい。お願いします」

その夜、初めて元嫁のアパートに泊まった。
でも、その日は本当にそれだけ。
何にも手は出していない。

シャワー浴びてる元嫁を待つ間は、正直モンモンしたが、頑張って耐えた。

元嫁がシャワー浴びてる間も、彼氏からの着信でバイブレーションフル稼働だったが、二桁以上の着信履歴を見た元嫁は、イライラした様子で携帯の電源を落とした。
急に静かになった。

42: 心のびた民 2015/04/28(火)03:03:01 1
シャワーを浴びて、だいぶ落ち着いたようで、とりあえず二人で話し合うことに。

「本当に、巻き込んでしまってごめんなさい」
「うん。本当にね。おれは大丈夫だよ。で、どうする?」
「……あの、付き合ってるって言ったことですか?」
「うん」
「私じゃ、ダメですか?」

伏し目がち、上目遣い
破局修羅場直後
シャワー浴びて良い匂い
彼氏の愚痴はずっと聞いていたし
元嫁からのさりげないアプローチも気づいてはいた
そして
元嫁はおれのタイプ

断ることは無理だった。

43: 心のびた民 2015/04/28(火)03:12:47 1
「良かった!嫌われると思ってました」

「これくらいじゃ嫌いにならないよ」

「でも、バイトは」

「問題ないよ。ただ、彼氏とは、ちゃんとキッパリ別れて欲しい。ああいうタイプは、変に曖昧な態度をするとストーカーになりかねないから」

実際、彼氏はストーカーというか、なんというか、その後もしばらく今までと同じように電話をかけてきた。
まるでこの日のことはなかったかのように、明るく電話口で喋る様子は、正直怖いものがあった。
おれが元嫁に代わって電話に出ると速攻で切って、すぐ掛け直してきて

「ビックリした!今の誰?」

と言ったのは本当に怖かった。

「おれだよ」

もちろん彼氏ガチャ切り。

元嫁は8月からの夏期休暇で、地元に帰ってキッパリ別れてくる、ということになった。

49: 心のびた民 2015/04/29(水)01:46:34 1
8月になって元嫁が長期休講に入り、すぐに実家に帰って行った。
おれは相変わらず仕事。
夏場は年末年始程ではないが、客入りも多くて忙しい。

職場のみんなにはおれが元嫁と付き合うことになった経緯を話してあったし、一応オーナーの耳にも入れておいた。

「やったな!□リコン」
「オーナーに言われたくないです」

このオーナー、嫁は自分よりも20も下で、しかもおれよりも年下というのに。

50: 心のびた民 2015/04/29(水)01:50:10 1
元嫁の帰省は半月程の予定で、その間に元彼との決着もつけてくるとのこと。
ちょっと心配でもあったが、そこはグッと堪えて待つことにした。

毎晩仕事が落ち着く頃に元嫁からも電話があり、他愛もないことを話す。
付き合ってる感覚ってのは、やっぱり楽しかった。

51: 心のびた民 2015/04/29(水)01:54:07 1
お盆に入る頃、そろそろこっちに帰るとのこと。
元彼との決着はあっさりついたらしい。
既に新しい彼女を作っていて、何故か自分が振られる形になって、物凄くムカついたと話していた。

めっちゃ荒れてた。

多分、元彼なりの仕返しだったんだろうな。
同じことをやり返したわけで。

52: 心のびた民 2015/04/29(水)01:58:48 1
元嫁が帰ってくるのを、駅まで迎えに行くと、元嫁ともう一人女の子がいた。
元嫁の妹と紹介されたその子もまた美人だった。
中学生ということだが、田舎の垢抜けない感じがまた可愛かった。

妹はこれから、割と重要な役回りになるが、年もおれの半分くらいということで、本当の妹のようにおれのことを慕ってくれたし、おれも可愛がった。

53: 心のびた民 2015/04/29(水)02:03:51 1
ここからしばらくは特に変化もないまま、彼氏と彼女という関係が続く。

バイトの学生連中と肝試しにいって、その後閉店後の店が怪奇スポットになったり、DTイケメンが結婚を(前提としたお付き合い)申し込んで承諾されたり。
サイドでは色んなイベントが起こっていた。

54: 心のびた民 2015/04/29(水)02:18:49 1
てか、思い出すと本当に色々あるな。


オーナーの幼妻がバイトし始めて、幼妻目当てのストーカーが現れる。オーナーに秘密裏に撃退。
チーフYがいつの間にか結婚していた。言えよ。
チーフYに子供が生まれる。出来婚でした。
チーフY、嫁に逃げられる。元から二股だったらしい。
チーフY失踪。一ヶ月後、土下座で戻ってくる。
イケメン、DT卒業。モテキがやってきて、許嫁発狂寸前。でもイケメンは心もイケメンだった。許嫁一筋に生き、評価を上げる。
同期A子、あの同業者と不倫を始める。じつは既婚者だったらしい。彼女というのは嫁とはまた別だった。その本妻がうちの店にきて大暴れ。警察沙汰になる。
同期A子、その同業者と駆け落ち。同業者は店の金に手を付けてたらしく、これまた警察沙汰。逮捕され、同期A子も戻ってくるが、流石にクビにする。
おれがクビ宣告した唯一のバイト。
先輩A子。街コンにハマる。そして、結婚詐欺にあい、貯金がなくなる。恋愛脳って怖い。詐欺師は捕まったが、金は返ってこなかった。

これが、一年くらいで全部起こった。
おれは割と平凡に生きているが、何故か周りにはこういうトラブルが頻発する。
おかげで暇はしないが、流石にお腹いっぱい。

55: 心のびた民 2015/04/29(水)02:28:39 1
ようやく自分の話に戻る。
元嫁との転機が訪れるのは、おれの引越し。

オーナーが持っていた物件に空きが出来るというので、そのマンションを借りることにした。
一人で暮らすにはなかなか広いので、元嫁も一緒に住まないかと誘った。
未だに生活費は自分で賄っていたので、それで多少は楽になるんじゃないかと。

と、そのことの報告もあり、おれは元嫁のお父さんと会うことに。
元嫁には帰省の度に手土産を渡していたし、長期休暇になれば妹が毎回遊びに来る。おっさん、おこすかいあげたりもしていたので、○○おにいちゃんと呼ばれて懐かれて、すっかり舞い上がってた。
年の離れた妹って可愛いもんだね。

久しぶりに連休をもらい、元嫁と一緒に帰省。
そのときに初めてスーツを買う。
10万はしなかったが、結構するのね。でも、それなりのものを用意しとけば色々役に立つと腹を決めて購入。一時期太って着られなくなることもあった。
やっぱり高い買い物って怖いな。

56: 心のびた民 2015/04/29(水)02:34:09 1
お父さんと会ったのは、なんか立派な門がある割烹料亭だった。店員の女性は着物だし、刺身とかめっちゃ分厚いのに全然生臭くない。卵焼きも口に含んだ瞬間ダシがじゅわーって。
一応料理もするから、そこのレベルというか、格式というか、すごく驚いた。
一応コースだったので、話は食べながら進めた。
お父さんもスーツだったが、元嫁と妹は私服。それなりに綺麗な服装ではあったが、お店の人はどう思ってたんだろうか。

57: 心のびた民 2015/04/29(水)02:41:21 1
お父さんは恰幅の良い紳士で、訛りはあったが、ヒゲがカッコよかった。
元嫁からは、お父さんは普通の会社員だと聞いていたが、聞けばやっぱりそれなりの役職についていた。
貫禄あるもん。

同棲の許可を貰うだけのはずが、どうやら、結婚を前提とした付き合いということになった。
薄々覚悟はしていたが、元嫁はここに来るまでめっちゃ軽いノリだったし、おれも甘かった。
型にはめるというのはこういうことか。

でもそれは、ただ単におれ自身が甘えていただけで、キチンとした付き合いをするのには大切なことだったんだろうな。
このときの態度が気に入ってもらえたのかはわからないが、それからもお父さんからは本当に良くしてもらった。

58: 心のびた民 2015/04/29(水)02:45:52 1
少し身の上を話すと、おれの両親はおれが20歳前後に相次いで亡くなった。
結構若かったんだけど、わからないもんだ。
おれは高校卒業して、バイトやら派遣やらでプラプラしていたが、そこを親父とおふくろの知り合いだった今の店のオーナーに拾われて、今もそこで働いている。

その席で、こうした身の上も全部お父さんに話した。
そして今度は、元嫁家の話を聞くことになった。

59: 心のびた民 2015/04/29(水)02:51:43 1
元嫁家は、元々代々農家だったが、先の震災もあり、祖父母はまだ元気だが畑の大部分は処分し、今は老後の楽しみとして細々と続けているとのこと。
父子家庭である事情も、このとき話された。
元嫁も20歳になり、妹も高校生になり、今まで黙っていたことも含めて全部話してくれた。

なぜこの場で。

60: 心のびた民 2015/04/29(水)03:05:29 1
元嫁のお母さんは、妹を生むとすぐに男が出来て不倫。
だが、相手の男がそれなりに力と金のある人物だったらしく、ケジメとして慰謝料は受け取ったが、その後の養育費などは受け取っていない。お父さんは、

「これでもプライドもあるからなぁ」

と笑っていたが、だからこそ、意地になって働いて、今の地位も築けたし、娘たちも育てることができたと言っていた。
娘二人が重度のファザコンなのも納得した。

そして、今まで黙っていたこととは、二人の母親が今も元気で、二人が望めばいつでも会いに行けるということ。
元嫁はそれを聞いて泣きながら怒り、

「今さら母親なんて思えないし、会いたいとも思わない!」

しかし妹は、

「もし、自分にちゃんとした母親がいるなら、一度でいいから会ってみたい」

と、泣きながら答えた。

元嫁は薄っすらとではあるが母親の思い出はあると言っていたが、妹は本当に生まれて間もない頃だったので、母親については何も無かったのだろう。その分、母親に対する思慕も、元嫁以上にあったし、何よりまだ高校生だ。

「わかった。今まで黙っていて悪かった。娘から一言でも、母親に会いたいと言われれば教えようと思っていたが、俺も意地になってた。もっと早く、こうして話しておけば良かった」

お父さんの目にも涙が浮かんでいる。
おれは情けないけどダラダラともらい泣き。
お父さん、カッコ良すぎだろう。

61: 心のびた民 2015/04/29(水)03:20:39 1
お父さんは、このタイミングでインターホンのボタンを押した。
みんな焦って涙を拭いたが、元嫁も妹も、化粧は崩れている。

すぐに襖が開き、着物姿の店員さんが何も言わずに深々と頭を下げた。廊下で土下座している形だ。

「女将の○○です。ようこそいらっしゃいました。
本日は大切な会席に…」

と、挨拶は続けてたが、無駄に勘の良いおれは薄々気づいていた。答えはすぐにお父さんの口から、その場に伝えられた。

「この人が、お前たちのお母さんだ」

ああ…やっぱり…
元嫁と妹は完全にフリーズしたまま、女将さんの顔を凝視している。
女将さんは、綺麗に化粧をしていたが、くっきりと筋が出来るほど、涙のあとがついていた。流石というか、それでも顔を上げてしっかりこっちを見ていた。

「本当に?」

妹が聞くと、お父さんは頷いた。
妹は決壊したわように泣き出した。
元嫁は隣にいるおれの手を力一杯握っていた。
このとき、元嫁がどんな気持ちでいたのかはわからないが、大人しそうに見えて気が強い元嫁のことだ。
色んなことを必タヒに耐えていたんだろう。

63: 心のびた民 2015/04/29(水)03:22:36
なんという展開

65: 心のびた民 2015/04/29(水)03:26:43 1
>>63
ほんとにね。
今でも、なんでおれここにいるの?
みたいに、妙に冷静だったのを覚えてる。

66: 心のびた民 2015/04/30(木)00:32:04 1
さて、お母さん登場まで話したんだっけな。

昔よくテレビでやってた徳光さんが泣く番組は全く泣かなかったが、目の前でこういうの見せられると本当にクルものがあった。

妹がお母さんに抱きついて、お母さんが謝りながら頭撫でてるのを見たら、もうね。
そこが第一のピークだった。

その後はお母さんが、気を遣ってお酒を出してくれた。

「娘たちを不幸にしてしまったとばかり思っていました。あのとき自分が連れていけばと。でも、ここまで立派に育ってくれたのは、ひとえにお父さんのおかげです。どこまでも自分勝手だった昔の自分では、こんな素晴らしい子育てはできなかったと思います」

お父さんと元嫁、妹に謝罪と感謝の言葉を伝えると、お母さんは座敷から去っていった。

67: 心のびた民 2015/04/30(木)00:36:56 1
「元嫁からも、話は聞いているし、俺もイチくんと会えてよかった。こんな娘だが、これからはよろしくお願いします」

テーブルに手をついて頭を下げるお父さんに、

「ありがとうごさいます。責任を持って、元嫁を幸せにします」

と答えたおれ。
同棲の許可だったはずが、結婚の許可をもらいにきたみたい。
事実、この日のこの会食が結婚申し込みの挨拶として認知されることになった。

68: 心のびた民 2015/04/30(木)00:43:17 1
このとき元嫁は学生で20歳
おれは26歳

正直、結婚なんて考えてなかったのだが、この辺りからおれも元嫁も将来について真面目に考え出す。
元嫁はその年に無事に卒業して、就職もなんとかなった。まともな就活とではなく、おれ繋がりでコネを使っての入社だった。

71: 心のびた民 2015/05/03(日)01:44:57 1
卒業、就職、即結婚というのはアレだったので、同棲してから一年経ってから籍を入れようということになった。

そのことはGWに帰省した元嫁からお父さんに報告。手土産にお父さんの大好きな日本酒を、居酒屋店長の立場を駆使して入手。
たいそう喜んでくれた。
後に、その日本酒の入った桐箱に達筆で日付けと「元嫁、イチ、結婚の報告」と、書かれているのを見せられた。気が早いぞ、お父さん。

72: 心のびた民 2015/05/03(日)01:45:20 1
二人の関係はというと、一人暮らしが長かったおれと、父子家庭で育った元嫁。家事は二人とも問題なし。

一応料理はおれのほうに分があったが、掃除洗濯は元嫁のほうがマメ。
家賃は折半で光熱費はおれ。通信費はそれぞれ。貯金もそれぞれ。
それなりに上手くやれていた。

ただ、元嫁が就職してからはやはり、時間的なすれ違いが増えていった。
元嫁の休みは日曜プラス週の何処かで1日休みというシフト制。おれはその休みに合わせて休みを取る。
休みが楽しみだった。

73: 心のびた民 2015/05/03(日)01:45:46 1
平日なんかは、暇ならおれも早く店を閉めて帰るし、そういう日は元嫁も昼寝して夜更かししてくれた。
安定して幸せだったのは、やっぱりその頃だと思う。
元嫁と付き合って二年半。そして、一緒に暮らして一年。
約束通り、おれと嫁は籍を入れた。

結婚式はせず、おれが働いている店で知り合いを集めての簡単なパーティーをした。
バイトたちがお金出し合って、サプライズで元嫁はレンタルのウェディングドレスを着せられた。
おれは元からスーツだったので、横に並んで写真を撮った。
その写真はイケメンの手で加工され、どこぞの写真館で撮ったような写真へと生まれ変わった。
おれはあんまりパソコンとかは使えないんだが、ああいうのが簡単に出来るって凄いと素直に感動した。

74: 心のびた民 2015/05/03(日)01:46:16 1
年末年始には、二人揃って元嫁の実家に帰省。
娘のドレス姿にお父さん、惜しげも無く泣く。
おれはキチンとした式を挙げられなくて申し訳ないと謝ったが、それはいずれ二人で挙げなさいと諭された。
田舎はそういうしがらみが多いもんだと勝手に思ってたが、お父さんは完全に抜けてたみたい。
一応親戚の方々には丁寧に説明していたけど、今はそういう時代じゃないとハッキリ言っていた。
お父さんかっこいい。しかしおれ、ちゃんと式を挙げられなかったことを、いまもちょっと後悔してる。
おれのワガママも大きかったからね。

75: 心のびた民 2015/05/03(日)01:46:40 1
おれのワガママというのは、そのまんま親がいないこと。
親が亡くなってからは親戚とも没交渉。結婚式という願望がなかった。
元嫁も、自分の両親を見ていたからか、お金をかけて式を挙げても必ずしも幸せにはなれないと何度も言っていた。
本気かどうかは判断しかねるが、おれはそれを元嫁の気遣いとして素直に受け取った。

76: 心のびた民 2015/05/03(日)01:47:03 1
あと、お金がなかったわけじゃない。
小さくてもそれなりの式を挙げることくらいは出来た。
飲食店で働いてると、いつかは自分で店を…みたいなことは、自然に考えるようになる。おれもそうだった。
だから少しずつではあったが、貯金はあった。

それについても元嫁は、そのお金はおれの夢のためのお金だから、そのためだけに使って欲しいと言っていたんだ。

もうここまで読んでもらったらわかるように、正直おれにはもったいないほどの出来た嫁だった。

少し時間を進める。
ちょっとかわり始めるのは四月になってから。

今でも断言出来る。
元嫁と出会ってから3年間は、おれの人生の中で最高の3年間だった。

77: 心のびた民 2015/05/03(日)01:47:23 1
元嫁と出会ってから丸3年。
元嫁働き始めて丸1年。

おれは相変わらず居酒屋の雇われ店長。オーナーが新しく店を出すとかで、おれもちょっと、忙しくなる。
元嫁は新人の教育係に任命され、ちょっと昇給。肩書きもついたと喜んでいた。

簡単に言えば、すれ違いが大きくなっていったんだ。

78: 心のびた民 2015/05/03(日)01:47:48 1
夜中に帰っても疲れて寝ている元嫁。
元嫁の朝の出勤に合わせて仮眠を取って、一緒に朝食。お弁当を持たせて見送り、おれ再び眠る。

子供は、元嫁の希望で作ってはいなかった。それでも週イチ前後で夜の生活は有り。
休みの日は合わせてはいたんだけど、やっぱりお互いに忙しくなったせいか、なかなか合わなくなった。

元嫁も休みが日曜日だけだったりしたし、おれも希望通りのシフトを組めなくなっていた。

なるべくして、なったんだろうな。
この結末も。

79: 心のびた民 2015/05/03(日)01:48:08 1
平日、おれは早ければ1時には家に帰る。
その日は前半で売り上げも立ったので、少し早めに閉店。早目に帰宅した。
9月も終わりそうなころだ。

いつも元嫁の寝顔を眺めて、ただいまのキスを勝手にして、リビングでゲームしたり携帯いじったりしてから寝る。
おれはいつも通りの儀式のために元嫁の部屋に入ると、枕元の元嫁のスマホにちょうどラインの着信が入った。

元嫁は寝たら起きないタイプなので、そのまま寝続けているが、そのほんの二行の文面はおれの目を覚ますのに充分だった。

80: 心のびた民 2015/05/03(日)01:48:30 1

「××さんとの旅行どうだった?
楽しかった?」


誰だよ、××って。
なぁ?同期A子。

85: 心のびた民 2015/05/05(火)00:17:36 1

「××さんとの旅行どうだった?
楽しかった?」


誰だよ、××って。
なぁ?同期A子。

とりあえずその文面で大体のことを察したので、トイレに行って吐いた。

元嫁に対する嫌悪感と、今までの幸せが一気に壊れた恐怖感。
漫画の読み過ぎかもしれないが、頭の中の思い出の映像が、ピシッてヒビ割れてガラガラ音を立てて崩れていくのが面白かった。
いや、なんも面白くないけど、全くなにも感じずにただただ眺めている自分が確かにいたのよ。

86: 心のびた民 2015/05/05(火)00:18:14 1
すぐに考えたのは、どうすればやり直せるかだった。
元嫁を許せるかどうか。

生活系のまとめでよく見る復讐なんてのは、このときは全然考えてもいなかった。
この日のおれの行動は、逃避だった。
再び店に戻って、Yを呼び出して泣きながらヤケ酒。実費で結構高いワインも開けて、朝まで飲んだ。

今までの元嫁との思い出を語る

なんで浮気なんか

のループでうざかったとのちにYから暴露された。
記憶無くすくらいまで飲んだのは人生で初めてだった。

87: 心のびた民 2015/05/05(火)00:18:36 1
起きたのは昼頃で、おれは店のソファで寝ていた。
配達に来た八百屋に起こされた。

携帯には元嫁からラインが何件か来てたし、着信もあった。
全く気付かなかったけど。

ラインの文面にはおれを心配しているとか、何かあったの?とか、終いにはなんでラインを読みもしないんだと怒ってもいた。

とりあえず返信で詫びて、店でお酒を飲んで寝てしまったと言い訳をしておいた。

88: 心のびた民 2015/05/05(火)00:19:06 1
頭がガンガンして気持ち悪いので、近くの薬局で液○ャベと頭痛薬を買ってきて飲んだ。

いつもの出勤時間よりかなり早かったが、昨夜の店の掃除と、仕込みを始めた。
何にも考えずに体が動くってのは、こういったときにすごく助かる。

フラッフラだったから休み休みだったけど。

89: 心のびた民 2015/05/05(火)00:19:28 1
そして、これもいつもより早くYが出勤してきた。

「タヒんでないか心配だった」

と冗談ぽく言ってたが、目が笑ってなかった。かなり本気で心配してくれたらしい。
こいつは女運はないが良い奴だと思った。

90: 心のびた民 2015/05/05(火)00:20:30 1
で、これからどうするのか?

という話になった。
開店まではまだかなり時間もあるし、既に仕事としてやらなきゃいけないことは終わっている。

昨夜と違い、かなり冷静に頭が回っていた。自分の吐く息が酒臭いことを除けば絶好調だ。
薬も良く効いて、すこし気持ち悪い気もするが、頭は痛くない。
絶好調だ。
多分。

結論はすぐに出た。

やり直したい。

正直な気持ちを言った。

91: 心のびた民 2015/05/05(火)00:25:28 1
でも、ケジメはきちんと付けないとダメだとも言った。

Yは驚いていた。
おれの性格から考えて、相手を徹底的に締め上げて潰して搾り取るもんだと思っていた、と。
おれ、どんな風に思われてたんだよ。

まずおれは浮気相手や、元嫁の本気度などを調べることにした。

早まったら負け。
焦ったら負け。
生活系まとめサイトで何度も見た鉄則が、おれを押し留めてくれた。
先人の知恵に感謝。

とにかくおれは知りたかった。
なんで浮気したのか、相手は誰か。いつからなのか。
そして何より、元嫁は本気なのか。


ターゲットは元嫁が就職するときにおれが頼った元嫁会社の役員の人と、今回のきっかけとなった同期A子。そして、異常に仲の良い元嫁妹。

この三人にそれぞれアプローチして情報を集めることにした。

92: 心のびた民 2015/05/05(火)00:26:59 1
まずは元嫁妹にから当たってみることに。
おれと付き合う前から、恋愛相談やら愚痴やら、おれとの喧嘩まで全て筒抜けになっていたくらいなんでも話していたので、もしかしたら妹なら何か知っているかもしれないとおもった。

結果は白。
最近あまり連絡もなくて寂しいと言っていた。浮気のことは伏せて、元嫁に変わったところはないかと聞いてみたのだが、

「イチ兄さんと付き合うようになって、初めてまともな男の人と姉が付き合うようになって、本当に感謝しています」

とまで言われた。
ひょっとしたら元嫁を庇っているのかとも疑いはしたが、話しても話してもおれへの感謝の言葉しか出てこない。
冬休みにこっちに遊びに来ると話は締められて、妹との話は終わった。

妹ちゃんマジ天使。

93: 心のびた民 2015/05/05(火)00:28:57 1
次に同期A子。

ラインの友達一覧には知らない男とピースしている写真があるが、A子をクビにしてからは全く連絡もとっていない。
未だに元嫁とA子が繋がってたことにも驚いたくらいだ。

しかし、A子は地元生まれの地元育ちで、地元のアホ大学の四年生。調べようはいくらでもある。
うちのバイトの友達、という思ったより短い繋がりで、A子の知り合いに辿り着いた。

そこからはもう簡単だった。
元嫁とA子がどうして繋がってたのかもわかったし、浮気相手A、Bが特定できたので、調査対象にそのA、Bも追加する。

ちなみに、バイト連中には全て打ち明けた。あと、浮気相手判明までかかった時間は2週間。
おれはタヒんだように生き、働き、そしてタヒにたくなる気持ちで毎日自宅へと帰った。

元嫁とは完全にレス状態。
というか、ぶっちゃけエレクトせんかった。
元嫁からは病院を勧められたが、ちょっと疲れてると言い訳して逃げていた。

おれヘタレ。

94: 心のびた民 2015/05/05(火)00:29:52 1
最後に元嫁の会社役員、おれの立場からすると常連さん。以降は常連さんで。

この人には本当に本当に世話になった。

浮気発覚から1ヶ月。いつものように夜中の閉店間際に一人でフラッと現れて、ビールを二杯、つまみを一品。
バイトにも気を遣ってくれる、良い常連さん。

その常連さんに心配されるくらいおれの見た目が変わっていたらしい。
何かあったのか?と、常連さんから話を聞いてくれた。
やっぱり上に立つ人ってのは、小さな変化もすぐわかるもんなのかな?
おれの場合は小さな変化でもなかったかもしれないが。

96: 心のびた民 2015/05/05(火)00:31:50 1
おれは常連さんに、元嫁のことも浮気相手のことも、全部打ち明けた。

浮気相手Aは、元嫁の直属の上司。浮気相手Bは、元嫁会社の下請け会社の営業。

おれ自身がまともな会社で働いたことがないからわからないんだが、常連さんからはめっちゃ頭を下げられた。

でも、なんとかやり直せるならやり直すつもりだと言ったら、土下座までされた。おれ焦る。常連さんは何にも悪くないのに、なんで常連さんがこんなに謝るのか。

そう考えると、元嫁と浮気相手に、ハッキリとした怒りが湧いたのがわかった。
今まで自分の為には怒りは湧いてこなかった。むしろ、燃え尽きて真っ白に近い。
でもここへきて、自分のために怒って泣いて協力してくれる同僚や、土下座までしている常連さんを見て、初めて明確な怒りを自覚した。

おれ、サレラリから覚醒の瞬間。

98: 心のびた民 2015/05/05(火)00:35:34
がんばれ
自頃とか考えんなよ

100: 心のびた民 2015/05/05(火)00:39:43 1
>>98
大丈夫。
今は笑って話せるくらいだし、これを書いてるのもちゃんと整理が付いたから。
Yから毎日

「お、ちゃんと生きてたか」

と言われてたのを思い出したw
心配してくれてありがと

101: 心のびた民 2015/05/05(火)00:46:25
生でパコったまで見た

102: 心のびた民 2015/05/05(火)00:48:39 1
>>101
元嫁ピル飲んでたし生でパコッてたんは多分そうだと思う

103: 心のびた民 2015/05/05(火)01:21:20 1
整理ついでに当時のスペック

おれ…居酒屋雇われ店長。ヘタレサレ男。

元嫁…ツンデレが似合う顔のビ●チさん。日本人形系の低身長美人を想像してくれ。中学生の頃からよくストーカーされてた。

お父さん…尊敬出来る大人の男性。日本酒好き。

妹…清楚系JK。実際はバリバリスポーツ女子で純情乙女。姉には強気だがおれには敬語。たまに間違えておれに普通に話して赤面する可愛さ。

同期A子…真性のビ●チ。元嫁を不倫の道に誘い込んだ元凶。セクシー女優の泉麻耶に似ていると、当時うちの店で話題に。

イケメン…早々に内定も貰えたうえに、翌年3月にこっちと実家の中間の地方都市で結婚式の予定。探偵並みの調査能力で同期A子と浮気相手を特定。元嫁と浮気相手との密会場面の写真や、浮気相手の身辺調査のレポートをまとめて、泣きながらおれに提出。お前が泣くな。

オーナー…幼妻がおれの元嫁のように浮気したら想像しただけでしばらく落ち込んでた可愛いおっさん。新規の2店舗目も順調。

オーナー幼妻…うちの居酒屋でバイトを続けている。予想に反して元嫁の浮気に大激怒。矛先はオーナーに向かい、浮気したら地獄まで破産する(?)と豪語。頭は良いんだが天然系。

常連さん…漢気の人。このあと、常連さんの違う顔を見ておらビビる。

Y…女運悪し。仕事でもプライベートでもおれの相棒。この店で働いてから知り合った。どうやってキャバ嬢とお金をかけずに付き合えるかを研究するために大量のお金をかけるアホウ。

主要な登場人物はこんなもんかな。

105: 心のびた民 2015/05/05(火)04:33:00
支援

イケメン号泣と常連さん平謝りは知ってたけど隠してたからってこと?

107: 心のびた民 2015/05/05(火)05:12:09 1
>>105
そのことの補足

イケメン号泣について
元嫁と同い年で一緒にバイトしてた時期も長い
おれのことを異様に慕ってくれていて、おれたち夫婦のことも応援してくれていた。結婚する報告も、わざわざ二人できておれたち夫婦に報告してくれた。
だから、浮気発覚の経緯は、実際は些細なことだし確証も証拠もない。
まず最初に報告したときも信じられなくてショックで落ち込んでた。
だからこそ念入りに徹底的に調べたところ、真っ黒。
それをおれに報告しなきゃいけないと悩んで熱を出してバイト休んだくらい。
号泣の理由はこんな感じ。


常連さんの平謝り
おれも本当に、なんでこんなに謝るのかわからなかった。会社の風紀とか、倫理とか信用とか、そういうのに関わってくるもんだからじゃないかと予想。
むしろ、おれがそんな女を頼んで就職させてもらったことが申し訳ない。

常連さんはこのあと、会社内での元嫁と浮気相手についてを徹底的に調べてくれた。

108: 心のびた民 2015/05/05(火)05:18:07
あー常連さんは1が紹介して嫁を就職させた会社の上司なのか
理解した

111: 心のびた民 2015/05/07(木)07:02:07 1
常連さんのお陰でサレラリから目覚めはしたが、それでも元嫁とやり直したいという気持ちが強かった。

証拠もあるし、常連さんに話もしたし、そろそろ打ち明けるかと思っていたのだが、常連さんから止められる。
会社内のことを全部調べるから、それまで待ってくれ。と。
責任は俺が持つとも言っていた。

この生ぬるい地獄がまだ続くのかと思ったが、常連さんにまた頭を下げられてしまい、了承した。
それが結果として良い方向になったわけだが。

112: 心のびた民 2015/05/07(木)07:02:40 1
季節は師走。
飲食店かきいれどきです。

うちの店もそれなりに予約が入り、年末に向けてさらに忙しくなりそうな雰囲気だった。

常連さんとの話し合いから一カ月過ぎていた。
正直、このころの記憶があんまりない。仕事のことはある程度覚えているんだが、私生活のことが、あれ?このころ何してたっけ?というふうにポッカリ抜けている。

113: 心のびた民 2015/05/07(木)07:03:55 1

あと、夜のスポーツだが、不倫のショックで、にわかに不能になってた。
ひとりエ●チは出来た。
でも、元嫁相手だと無理だった。


元嫁も流石に変だと思ったらしく、この一カ月の不倫はほとんどしていなかった。
実際は仕事後や休みじゃなくて、昼間の仕事中にやることやって、水面下に入っていたからだけど。

しかもこの一カ月の間に、不倫相手Bはバッサリと切ってた。
おれや妹に、営業の男がストーカーっぽくなって困ってると、ガッツリ相談してきやがった。
あと、おれの様子がおかしいと周りに相談もしていた。

女の子って、こういう根回しの技術ってどこで学ぶんだろうね?

114: 心のびた民 2015/05/07(木)07:05:12 1
12月の二週目。
深夜にフラッと常連さんがやってきた。

待たせて悪かったと、まず謝られた。

そして、結構分厚い封筒をカバンから取り出して、おれに渡した。

「これは、あくまでも、あくまでもな、個人的に調査した結果だ。会社役員としての俺じゃなくて、この店の常連として、少し気になったことを会社の人間や外部の人間に聞いたりしたことだ。だからこれは、あくまでも俺個人の責任で行ったこととして、受け取ってくれ」

内容を確認させてもらうと、明らかに個人で調べたようなものではないし、法律的な専門用語や、会社内の誓約みたいなものも書いてある。

「俺はこの調査資料を基に、浮気上司と元嫁さんを処罰しなければならない。あとは、タイミングだけだ。苦しい思いをさせて悪かった。だからタイミングは、イチくんが元嫁さんにどう対応するかを見てから決める」

他人の生殺与奪の権利を手にするってのは怖いもんだね。
慰謝料とか、社会的抹殺みたいなことは正直なとこ考えてなかった。でも、そういうことも含めてよく考えて返事が欲しいと言われた。

このときになってようやく、

離婚する

ってのを強く意識した。

115: 心のびた民 2015/05/07(木)07:06:44 1
実はおれの結婚記念日はクリスマスイブの前日。

1年前の夜中に一緒に市役所に行ったのが遠い昔のよう。

クリスマスイブと結婚記念日が一緒だと損をする!

という元嫁の発言からのイブ前日。
帰りにコンビニでケーキを買って、二人で祝った。
クリスマスはクリスマスで、お互いにプレゼントを交換し、結婚1日おめでとうと言いあった。
思い出すと今でも泣けるな、これ。

116: 心のびた民 2015/05/07(木)07:07:15 1
ぶっちゃけおれもガキだったんだろうね。いい年して。
それなりの覚悟はしてたつもりだったけど、恋愛の延長で結婚しただけだったんだろう。

もうすぐ結婚記念日だった。

決戦はその日に決めた。
それと、おれは一つの賭けもしてみることにした。

慰謝料で制裁!
汚嫁間男ザマァ!

ってのはよく見るし、おれもしたくなったけど、本心はやっぱりやり直したい。
だからこその、賭け。

誠心誠意、心の底から反省して謝ってくれたのなら、また1から元嫁とやり直す。

本当に、単純に謝って欲しかっただけなんだよな。

117: 心のびた民 2015/05/07(木)07:08:03 1
結婚記念日当日。
または、決戦当日。

かなり忙しい時期にも関わらず、事情を軽く説明しただけで休みがもらえた。
オーナーや幼妻やY、バイトのみんなからはめっちゃ激励された。
イケメンからは新しくまとめ直した最終版の資料を受け取った。

お前…こんなことに身を削るんじゃないよ…

そして店からはオードブルとピザを渡された。
これを作ったYからは、前祝いだと言われた。
何を祝えと?

オーナーから結構高めのシャンパンを貰った。
だから、何を祝えと?

意図はともかく、ありがたく受け取った。そして、駅まで特別ゲストを迎えに行っている。
お父さん、妹ちゃん。
サプライズゲストにサプライズしてごめんよ。

その頃、元嫁は自宅でスープと唐揚げを作っていた。

118: 心のびた民 2015/05/07(木)07:08:28 1
カギを開けて玄関から飛び込んだのは妹ちゃん。

元嫁は悲鳴を上げて喜んでいる。

お父さん登場。
固まる元嫁。

結婚記念日おめでとう、と、お父さんから元嫁に花束のプレゼント。
元嫁泣き出す。
おれにもプレゼントを渡してくれるお父さん。
私が選んだんですよー!とニコニコ顔の妹ちゃん。
おれも泣きそうになった。

でもごめん。
このあと、それ以上のサプライズがあるから。
お父さんも妹ちゃんも元嫁も泣いちゃうくらいの。

119: 心のびた民 2015/05/07(木)07:09:02 1
元嫁と妹ちゃんが二人で料理を続け、おれとお父さんはコタツでかなり早い飲酒を始めた。

てか、お父さん、自前の日本酒を持ってきてる。早々に手酌で飲もうとするので、おれも付き合う、という形。
やばい、全然酔えない。
この後に起こるであろうことを考えると、びっくりするくらい酔えない。

食事は滞りなく進んだ。
楽しかった。
こんなに笑ったのは久しぶりだ。

ケーキも食べた。
妹ちゃんとチョコのプレートを取り合ってジャンケンした。

でも、そんな、楽しかった時間も、終わりの時間がやってきた。



「これからのことについて、真剣に話したいことがある。お父さんも、妹ちゃんも聞いて欲しい」

120: 心のびた民 2015/05/07(木)07:09:46 1
「いきなりだけど、元嫁、愛してる」

「な?!どうしたの急に!」

「お姉ちゃんはどうなの?返事は?ねぇねぇ?」

「え、えーっと…」

お父さんも妹ちゃんもニヤけている。元嫁もお酒だけじゃなく顔を真っ赤にして狼狽えている。

「イチさん、私も愛してる」

ハイタッチするお父さんと妹ちゃん。
でも、おれの表情は変わらない。

「本当に?」

「うん。本当に」

「本当の本当に?」

「うん。本当に愛してるよ」

「これでも?」

おれ、身近に置いたバッグから可愛い封筒を取り出して嫁に渡す。

「え?なぁに?これ?」

「元嫁に読んでほしいこと」

「なに?ラブレター?」

開けようとする元嫁を覗き込む妹ちゃん。

「え?ナニ?コレ?」

121: 心のびた民 2015/05/07(木)07:11:23 1
可愛い花柄の封筒から出てきたのは通称緑の神。いわゆる離婚届。
もちろん、おれのところは記入済み。

「は?なに?なんの冗談?」

「えっ?えっ?えっ?」

混乱する姉妹。
お父さんとおれだけ冷静。

「イチくん。説明してくれるかな?」

「後でちゃんと(資料付きで)説明します」

「元嫁、その紙の意味わかるよね?なぜそんなものをおれが出したのかもわかるよね?」

元嫁離婚届テーブルバーン

「わかるわけないでしょ!なんでいきなり、なんなの離婚て!ちゃんと説明してよ!」

「わかった。じゃあ、その前にこれを読んでからな」

おれ、またバッグから封筒を取り出して元嫁に渡す。
この封筒は茶色で全然可愛くはない。

最初に目に飛び込むのは、かなりでかいフォントで書かれた、

○○元嫁
不倫調査報告書

「嘘!」

嘘じゃない。

「なに?なんなの?ねえ、本当になんなの?」

混乱しつつも、ページをめくる元嫁。
めくられた表紙ページの言葉に、目に見えるくらい真っ赤になるお父さん。これは怒りだな。おれに対してか元嫁に対してかはわからんが。
逆に真っ青になり、瞬きもせずに泣き出す妹ちゃん。

この報告書。
字も大き過ぎず小さ過ぎず、本当に読みやすい。
時折、写真や表も織り交ぜてあり、実に分かりやすい。
イケメンマジ優秀。
本当に。どんな気持ちでこれをまとめてくれたんだろう。おれ以上に泣いたり苦しんだりしたんだろうな。

122: 心のびた民 2015/05/07(木)07:13:15 1
「違う!こんなの私じゃない!」

1ページ目でもうギブアップの元嫁。いきなり報告書をぐしゃぐしゃに丸めて逃げ出して、自分の部屋に飛び込んだ。

「お姉ちゃん…?嘘でしょ?」

妹ちゃんが後を追う。お父さんも立ち上がって後を追い、元嫁の部屋のドアをガンガン叩き出した。

「おい!元嫁!どういうことだかちゃんと説明しろ!」

お父さん…ガチギレ。ドアが出すような音じゃない。

「お父さん、お父さん、ご近所さんに迷惑ですから。報告書のコピーはありますから」

中の元嫁に聞こえるのは想定内。

中から「やめてー!」と叫び声が聞こえたが、今度はドアを押さえつけるお父さん。

お父さんに報告書の入った封筒を渡し、コタツに戻るおれ。
お父さんも戻ってきて、おれの隣で読み出した。
ワナワナと震えているのがわかる。

元嫁は諦めたのか再び引きこもり。部屋の前では、妹ちゃんが泣きながら呼びかけている。

テーブルの上には食べかけのケーキとシャンパン。空いた皿。
元嫁が叩きつけた離婚届。

さっきまでの幸せな食卓がこの地獄絵図。

123: 心のびた民 2015/05/07(木)07:13:57 1
最後まで読んだお父さんが鼻でフッと笑った。

「最後のこれはなに?」

「ああ、それはテンプレです。言い訳の。これをまとめてくれたバイトに頼んで入れてもらいました」

いつの間にか妹ちゃんの姿が廊下にない。進入に成功した模様。
妹ちゃんにラインで元嫁を連れて来てと連絡。即既読。わかった。の返事。

さて、元嫁はどんな顔して出てくるかな。

124: 心のびた民 2015/05/07(木)07:14:24 1
「いつまで黙ってるんだ。まずはイチくんに謝れ」

ムスッとした顔で出てきて座り、テーブルの離婚届を睨みつけたままの元嫁。
キレ気味のお父さん。
黙って元嫁を見つめるおれ。

おれはそのとき、例のテンプレを頭の中で復唱中。

125: 心のびた民 2015/05/07(木)07:15:13 1
「別れたくない」

一言目がそれだった。

「不倫相手と?」

「違う!イチと!嫌だ!別れたくない、別れたくない…」

「このままの状態で続けるのは無理だよ」

「好きなの…」

「不倫相手が?」

「違う!イチが!私が好きなのはイチだけだから!」

「じゃあ好きでもない男と不倫してたの?」

「違う!違うの!」

「なにが違うの?」

「もういい!」

元嫁再びテーブルバーン!
ついでに離婚届グシャビリー!

それを見たおれ、今度は真っ黒な封筒をバッグから取り出して嫁に渡す。

元嫁、中身も見ずに破り捨てる。
ヤギさんレベルかよ。

「元嫁…謝りなさい」

お父さんの低くて太い声。
怒鳴り声よりこっちの方が怖いな

126: 心のびた民 2015/05/07(木)07:15:59 1
「ごめんなさい…ごめんなさい…」

「誰に謝ってる。俺に謝ってどうする。イチくんに謝れ。誠心誠意謝れ」

「ごめんなさい」

ここでようやくの初謝罪。

「何について謝ってるの?」

「………………」

おれの質問に唇を噛み締める元嫁。

「寂しかったから…」

「嘘を吐くなっ!」

今度はお父さんがテーブルバーン!

「この報告書には結婚前からとある。お前は結婚するのに寂しかったのか?」

えっ?という顔でお父さんを見る元嫁。
そう。
もうぜーんぶバレてるの。
相手が全部、何もかも喋ってしまってるの。
元嫁、部屋に篭ってるとき報告書読まなかったみたい。
いま元嫁にあげた報告書は、元嫁の部屋で妹ちゃんが読んでる様子。

「なんで?嘘でしょ…」

この時点でおれ、やり直したい気持ちはほぼ消えていた。

127: 心のびた民 2015/05/07(木)07:16:50 1
「お父さん、おれたちのことにこんな形で巻き込んでしまって本当に申し訳ありませんでした」

「家族の問題だ。だから俺の問題でもある。今回はうちのバカ娘が、こんなことをしてしまって本当に申し訳ない。責任は私が持つ、本当にすまない」

男二人で土下座し合っているのをポカンと見ている元嫁。
おれはピンクの封筒を取り出して、中の紙をお父さんの前に広げた。
お父さんは全部理解していたみたい。
証人欄に名前を書いてくれた。

「え?なんで?なんで?なに?私離婚しないよ?なんで別れなくちゃいけないの?」

パニックになりだす元嫁。
よく意味のわからないことを言い出したが、そのとき妹ちゃんが戻ってきた。

「ねぇ、妹、なんで別れなくちゃいけないの?ねぇ?」

「さわんな!汚い!」

妹ちゃんが力一杯元嫁を突き飛ばした。元嫁は倒れこんだまま泣き出した。

「なんで1番大好きなひとが1番大嫌いなやつと同じことしてんだよ!もう嫌だ…」

そういっておれの胸で泣き出した妹ちゃん。お父さんのえっ?って顔が忘れられない。

128: 心のびた民 2015/05/07(木)07:18:02 1
「お前がしたことは、お父さんが昔、お母さんにされたことと同じことだ。なんでそれがわからなかったんだ」

「違うもん!私はお母さんとは違う!」

「何が違う?」

「私はお母さんとは違う…私は別れない…」

「それを決めるのはお前じゃない。イチくんだ」

縋るような目でおれを見てくる元嫁。

「……正直、もう無理だよ」

「なんで!無理じゃない!家族でしょ!」

「その家族を壊したのが元嫁がしたことなんだよ。わからない?」

「あんたはもう家族なんかじゃない!」

唐突にキレた妹ちゃんだが、またすぐに泣き出す。

「なんで?家族なら助けてよ!別れたくない!嫌だ!なんで私が」

「だからもうあんたは家族じゃないんだよ!」

そんな言い合いが深夜過ぎてまで続いた。
おれ、疲れた。
お父さん、もっと疲れてた。

最後は元嫁が家を飛び出すというありがちなパターンでその日は終わった。
でもしっかりと携帯もバッグも財布も防寒着も持って行ったから大丈夫だろう。

この日、元嫁は自分から切ったはずの浮気相手Bの部屋へ行ったみたい。
紛失検索機能ってこういうときに使うのね。
マジ便利。

ちゃんと男の所に行ったことを三人で確認して、その日は眠った。

129: 心のびた民 2015/05/07(木)07:19:25 1
次の日、お父さんが帰るので駅まで送って行った。
妹ちゃんは当初の予定だと年末の元嫁の帰省に合わせて帰る予定だったのだが、帰ることに。
泣きながら帰って行った妹ちゃんが、なんだか可哀想だった。

元嫁はおれが仕事に行くまで帰って来なかった。

仕事が終わって帰ると、家中がめちゃくちゃに荒らされていた。
どうやら、記入した離婚届を探していた模様。
浮気報告書も家に置いてあったものは消えていたし。
そんな大事なもの、置いとくわけないじゃん。

とりあえずその報告は妹ちゃん経由でお父さんに。

お父さん、泣いてた

その一言でおれも泣いた。
離婚届はまだ出していない。

それから年末まで元嫁には会えなかった。
ラインは鬼のように来たが、離婚届はどこ?私は別れたくない。ごめんなさい。捨てないで。イチも悪い!

などなど、話が二転三転のグルグルループ。

元嫁、結局年末の29日まで帰って来なかった。
仕事は行ってたみたいだけど、夜はあちこち。
間男B、ラブホ、満喫、実家周辺。

実家に戻ってお父さんと話をしたが、話が通じず、バイトから帰ってきた妹と大喧嘩して出て行ったと連絡がきた。
その日の深夜に帰ってきた。

130: 心のびた民 2015/05/07(木)07:20:30 1
もういい加減、元嫁が汚嫁にしか見えなくなっていた。
元嫁もようやく、現実が見え始めたみたいだった。どうやら、持ち出した報告書をちゃんと読んだらしい。

最後の夜。
今までと打って変わって大人しい元嫁。
このときはまともに話ができた。
泣きながら謝り、ここへ来てやっと自分のしでかしたことのヤバさやら何やらがわかったらしい。

最初からこうやって、非を認めて謝って欲しかった。
でももう遅い。
深夜だったけど、ふたりで離婚届を出して、たった一年の結婚生活は終わった。

泊まるところがないという元嫁(嘘つけw)を、その日だけ泊めるという約束で、自宅に入れた。
当たり前のように夜這いをかけられたが、全力で拒否。気持ち悪い、汚い、という嫌悪感しかわかなかった。
元嫁の荷物は、ほとんど荷造りが終わっていたので、ベッドを貸しておれはコタツで寝た。

131: 心のびた民 2015/05/07(木)07:21:56 1
翌朝、フェ●で起こされるという、初めての体験をする。
思わず突き飛ばしてしまったが。

この日、元嫁を連れて不動産巡り。
格安ワンルームを見つけて即契約。

入居可能になり次第荷物は出荷。
それまでの泊まるところ?
知らん。
知ったこっちゃない。

もうすぐ仕事という時間になり、一旦自宅に帰ると、何故か妹ちゃんがいた。
カギの場所は教えておいたが、かなり驚いた。

元嫁も一緒に帰って来てたので、元嫁も驚いた様子だったが、ここでは素直に謝っていた。

妹は元嫁に一冊の通帳を渡した。

「これは今までお父さんが貴方にかけていた保険の解約金と、お母さんが離婚したときに払ったお金です。
これで、これから生きて下さい。
もう私たちを家族だとは思わないで下さい。
もし家族が欲しければ、自分のやってしまったことを反省して、自分だけで作っ下さい。
私たちに償う必要はありません。
もし償いたいのであれば、私たちの知らないところで一人で償って下さい」

そう言って、妹は元嫁を部屋から出した。
廊下の足音とすすり泣く声が遠ざかるのを聞いて、妹も泣いてた。おれも泣いてた。

これ以降、元嫁との接触はほとんどない。
たまに元気?
とラインが来るくらい。

元嫁の荷物が無くなった部屋は、本当にスカスカで生活感がない。

誰も幸せにはなってない。

色々足りないところはあるけれど、これで大体の話は終わり。

あとは補足やら、質問もあれば出来る範囲で答えるよ。

133: 心のびた民 2015/05/07(木)07:23:27 1
補足
浮気相手

浮気相手A
30代妻子持ちの元嫁上司

昔から女癖が悪かったらしい。元嫁が結婚すると聞いて、手を出したらしい。
その感覚がわからん。
だから期間は長い。
途切れ途切れ続いていた様子。
慰謝料?口止料?として100万持ってきたのに社内の処分がキッカケで奥さんにはバレた。離婚はしてない。今は一人で雪国にいるはず。

浮気相手B
20代独身
元嫁に一目惚れした可哀想なやつ。
結婚してることも知らなかった。
一方的にふられて、(元嫁がクレーム出して)営業担当からも外され、宿代わりにされる。
上司と不倫してることもバラしたら、泣きながら信じられないとか言ってた。
制裁は特にしてない。
なんか可哀想で。

同期A子
合コンで人数合わせで元嫁に連絡取ったのがキッカケ。
不倫応援してたわ。マジクソ。
実際はほとんど連絡などはとっておらず、たまたま数週間ぶりにしたラインをおれに目撃され、それがキッカケで元嫁の不倫がわかったんだから、ある意味感謝してる。
大学やめてキャバ嬢してたのは納得の進路だった。

134: 心のびた民 2015/05/07(木)07:24:48 1
イケメン
東京で新婚サラリーマン
たまにこっちに帰って来てはうちで飲んでくれる。
帰省じゃない。
君の実家はもっと西の方だ。


最近彼女ができた。
うちのバイトのフリーターの子。
押しかけて無理矢理既成事実を作り上げて同棲も気が付いたらしていた。
というのがYからの情報だけど、だいたい合ってる。何故ならけしかけたのはおれたちだから。

常連さん
今も良い常連さん。
おれがサービスし過ぎだと気にしているようだが、それは気のせい。
ほかのスタッフからも好かれる良いおっちゃん。
でも閉店間際テロは時々辛い。

135: 心のびた民 2015/05/07(木)07:31:40 1
お父さん
実は今も交流がある。
おれのことを息子と呼んでくれる。
元嫁ともたまに連絡はしてるらしいが、今はまだ全く許す気はないとのこと。
あのコピペをめっちゃ気に入ってた。
しょっちゅう、
俺も彼女に浮気されたらあれ使ってもいい?
と聞いてくる。
妹ちゃんから「彼女ができたらね~」と軽くあしらわれてショボン顏になるのが可愛い。


最後に妹ちゃん
何故か今年の4月から一緒に住んでいる。
進学でも就職でもなく、家族になりに来たと意味不明のことを言う。
お父さんも、イチくんなら大丈夫と推してくる。
何故か、と自分では言ったが、兆候はあった。冬休み春休みとおれが心配だからと泊まりで様子見に来てた。
あとうちの店でバイトしてる。

このGWは実家に帰省してたから、その暇潰しにこのスレを建てた。
昨日帰ってきた。
彼女とかそういう風には、正直まだ見れない。年も離れてるし、妹として接してきたから、今もそう見てしまう。ごめん。


妹ちゃんのことは最後まで書こうかフェイクにしようか悩んだが、正直に書いて下さいと言われたので、正直に書いてみた。




最後までおっさんのダラダラと長い話に付き合ってくれてありがとう。


一応前回の恋愛は最悪なバッドエンドだった、これからのことはわからない、ということで。

136: 心のびた民 2015/05/07(木)09:09:16
おっさんへ、
全部読みました、ご苦労様でした。
色々な人々が協力して良い判断があったと思います。

ここで、元嫁浮気について、おっさんに質問
原因がどこにあったのだろうか?
要因となる環境や条件などがあったのか?
そうさせない為にはどのようにすればよかったのか?
注意点や予防措置について?

今後これに近い状況があるかもしれない後輩たちへの助言として、
おっさんの人生の分岐点で何を考え、何を条件にしたか教えてほしい、
そして、後輩たちへのメッセージをひとこと。

137: 心のびた民 2015/05/07(木)10:44:57 1
おっさん起床
>>136
読んでくれてありがとう

端折りまくってたからわからにことも多いよな
おれが分かる、考える範囲でまとめてみるよ

138: 心のびた民 2015/05/07(木)10:53:42 1
元嫁浮気原因
おれが思うのは、環境の変化かな。
おれはずーっと居酒屋勤務の夜生活だけど、元嫁は上京進学一人暮らしでおれと付き合うようになって、就職昼勤務ですれ違いも多くなったし。
2店舗目立ち上げのときとかは、本当に顔合わせなかった時もあった。
心掛けひとつなんだろうけどね。
相手が自分の為にも頑張ってくれている、って。
あと、ここには書かなかったけど、元嫁はちょっとヒステリーっぽかった。
喧嘩しても自分が何で悪いのかわかんないでこっちを責め立てたりとかね。

あとは、いちばんの原因はおれがお父さんと同じになっちゃったことかな。
なんでも許してくれる。受け入れてくれる。
それが当たり前だと勘違いしてたってのは、元嫁からも言われた。

139: 心のびた民 2015/05/07(木)11:12:38 1
十人十色、人それぞれなんて本当便利な言葉だよね。


好きなことも嫌いなことも全然違うんだから、おれがこう思ったからって、それがそのまま誰かの答えになるなんてことはないと思う。

なんでも仕事に絡めちゃうのはおっさんの悪い癖だと思うんだが、誰にでもってわけじゃないが、万人に共通する大前提ってもんがある。
おれが料理出しててまず最初に考えることは、自分がマズイと思ったものは出さない。
自分が嫌なことは人にはしないってこと。

自分が美味いと思っても、人もそうであるとは限らないから。

お互いにそういうことがちょっと出来ていれば、違う人生になったんじゃないか?ってのは、若輩者のおっさんだけどちょくちょくあるよ。

その対処法は、一拍おいて考えるってこと。
今回はそれが図らずも上手く噛み合ってくれて、別れたのは辛かったけどおれもボロボロにはならずに済んだし、元嫁も変われるキッカケにはなったんじゃないかと、おれは思ってる。

浮気発見→とりあえず逃げたら頭が冷えた
浮気調査→間に人が入ってくれて冷静に眺めることができた
決戦→常連さんのストップがあったから、浮気相手も痛い目見たし、シナリオも仕込みも十分に出来た。

決戦は、自分がされたら嫌なことを思いっきりしたけどね。→お父さん妹に暴露

140: 心のびた民 2015/05/07(木)11:28:04 1
人生の分岐点

安定してる職とは言えないし、おれ自身が学歴やら資格があるわけでもないから偉そうなことは言えないなぁ。この仕事も始めたキッカケは流されて始めたようなもんだし。
でも、やるからには楽しんでやってるよ。
あとは、自分が人を使う立場になってから考えてることだけど、働いてる人間が生き生きと楽しく働いてる職場ってのは、自分次第なんだなって思った。
このゴタゴタのときなんて、かなり雰囲気悪化したものw

何事も楽しむこと
良い友人を作ること

お金も学歴も作ってこれなかった、底辺おっさんの負け惜しみだけどw
でも、自分の人生に退屈はしてないよ

141: 心のびた民 2015/05/07(木)12:23:15 1
そうだ
これ書くの忘れてたわ

誰と
いつから
いつ
どこで

とかは大体判明したけれど、なんで浮気したのかは最後までわからなかった

いちばん知りたかったことだけがわからなかったよ

143: 心のびた民 2015/05/07(木)16:21:47
今読み終わった文面は読みやすかった
>>1の幸せを祈る。
乙でした。


7777: 心のびたみんがお送りします 20XX/01/30 14:17:50


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